文化服装学院卒業後、東京の編集プロダクションに就職。カタログ製作や新刊書の立上げなどに携わる。退職後にはインテリアデザイナーのアシスタントなども経験。以降、フリーランスとなり、東京を舞台にライティングや編集業務で活躍。2019年9月入社。
東日本大震災後、勤めていたスターバックスコーヒーを退社し、大学在学中に手伝っていた美術館の立上げに尽力。震災雇用期間満了後の2014年5月プレスアートに入社。「Kappo仙台闊歩」編集部、「せんだいタウン情報S-style」編集部を経てKappo・別冊編集部に入り、2020年1月から現職に就任。現在にいたる。
アニメ関連のキャラクター商品、書籍などの販売業を展開する㈱アニメイト(東京都)で商品販売や店舗運営のほか、商品の仕入れ、販売を担当。退職後、㈱KADOKAWA(東京都)でライトノベルの営業を担当。グッズメーカー勤務を経て2020年2月入社。
編集局 S-style編集部 S-style副編集長
山口 まずは、鮫島さんの現在の業務内容について教えてください。
鮫島 営業局クリエイティブ部に所属し、広告製作を担当しています。『せんだいタウン情報S-style』に掲載される広告がメインですが、自治体ガイドや企業パンフレットなど、様々なものをつくっています。どのようなページにするか、既に決まっているレイアウトもあれば、クライアントにヒアリングしてオリジナルの切り口を提案することもあります。プレスアートで担っている全ての製作物に関われるのでとても楽しいですね。
山口 『せんだいタウン情報S-style』に掲載されている仙台PARCOや仙台ロフトなど、鮫島さんにはさすがと思わせられるところも多いです。
鮫島 商品やページの見せ方などを営業担当者と一緒に提案しています。編集目線での「ページをもっと面白くしたい!」、そんな思いはもちろん、クライアントが求める「読者が何を欲しがっているのか」という情報と組み合わせて、「商品をいかに売るか」といった仕組みを構築することも編集の仕事ですし、クライアントの話をじっくりと聞き、良好な関係を構築、クオリティの高い製作物をつくることが一番大切だと考えています。
山口 たしかに、クライアントが求める提案をすることは、弊社の強みにつながっていると思います。では次に小林さんお願いします。
小林 現在は編集長が産休中ですので、編集長代行として『Kappo仙台闊歩』の製作、販売を担当しています。『せんだいタウン情報S-style』とは異なり、『Kappo仙台闊歩』は、編集部の中で考えるだけでなく、外部のブレーンの方々など色んな人たちと情報交換をしながら誌面をつくっています。製作に関する総合的なコントロールやチームのマネジメント、経費管理も並行して行っています。
山口 どの業務が一番楽しいですか?
小林 取材ですね。反応が直に伝わってきますし、原稿を書く作業がなければ最高です(笑)。逆に大変なのは人材のマネジメントです。「人と一緒に仕事をしている」実感はありますが、育成面では、チームメンバーそれぞれに個性がありますし、難しいですね。
山口 北村さんは入社したばかりですので、「これからどういう動きをしていくのか」について教えてください。
北村 2020年4月1日から『せんだいタウン情報S-style』の編集部に正式に配属されます。記事をつくる仕事のほか、つくった本を売る販売の仕事も担当することになっています。
山口 ちなみに北村さんの教育は私が担当です。
北村 山口さんに教えていただきながら、読む人のためになるような記事を作りたいと考えています。販売に関しては、マーケティングやWeb展開などを含め、効率の良い売り方を提案していきたいと考えています。
鮫島 仕事の内容自体は変わっていません。違うのは働き方のスタイルですね。フリーランスのときは場所、時間などを問わずに仕事をしていましたから(笑)。現在は会社のルールに則って働いています。
山口 小林さんは3人の中では一番違う業界からの転職ですが、前職での経験などを活かせている部分はありますか?
小林 「読む人のことを考える」、「観る人のことを考える」というスタイルは美術館のときと一緒だと感じています。美術館にいた頃は基本的に残業もできなかったので、自分のために使う時間はその頃の方があったと思います。ただ、毎日決まったことをしていたので、自由度は現在の方が圧倒的に多いですね。
山口 入社したばかりですが、北村さんはどうですか?
北村 プレスアートは編集部が企画から販売までを担うため、部員一人ひとりが責任を持って仕事に取り組める環境だと感じます。販売部門で力を発揮し、少しでも編集部の助けになりたいですね。
鮫島 「どんな仕事も楽しくする」「どんな仕事でも楽しみを見つける」ことです。「好きであることが上手である」と同意で、何の興味もなかったら、機械的な仕事しかできないと思います。その仕事を好きになることが大切ですね。
山口 鮫島さんはもともと趣味の幅が広いですが、仙台で働くことで、新しく見つけたものなどはありますか?
鮫島 仙台の人たちと仕事をすることが初めてなので、仙台の人たちに触れられることがとても新鮮です。異業種の人たちをマッチングさせることで新しいカルチャーができるように、色んな人たちの意見や想いを聴き、想いと想いをつなげてあげたいですね。人との縁も大切にし、カメラマンやライターといった外注の方々に対して、少しでも優遇できればいいなと考えています。
小林 何にでも興味をもつことですね。取材先で気になったことは深く知りたいですし、何の興味もなくては、話してくれる人も真剣になれないと思います。興味を持てば、自分の世界も広がっていきますよ。
鮫島 編集者は何にでも興味を持ち、ハマっちゃうような人が向いているかもしれませんね。
小林 私は真逆の感じだったんですよ。「歴史や過去が好き」みたいな(笑)。面接のときに「ミーハーな職業だけど大丈夫?」と訊かれ、「何にでも歴史はあるので大丈夫です」と答えたことを今も鮮明に覚えています(笑)。「やってみたい」という気持ちで取材の対象などに興味を持つ人が多いかもしれませんが、私は「それはどうして出来たのか」みたいな由来に惹かれるので、好奇心のベクトルが違うかもしれません。
北村 僕が意識するのは正式に着任してからですね(笑)。
山口 「ここが良い」「これは変だ」みたいなところはありますか?
小林 山口さん自身はどうですか?
山口 私は、出版社は初めてですが、規則正しいクリーンな職場だと思ったのが正直な感想です。製作や編集をする頭で入社していたので、「販売部数を達成するためにどうしたらいいのか」といった側面からの企画建ては勉強になりました。つくるだけじゃないのがプレスアートっていう感じですね(笑)。雇用面では出産を経た人にもっとフレキシブルな対応をしてくれるところが嬉しいです。
鮫島 僕は基本的にはフリーランスだったので、人を頼りにできる、チームで動けることが嬉しいです。
小林 6年前にプレスアートに入社した頃は、みんな自分の業務で一杯いっぱいになり、「人のことを気にかけられていない」そんな感じがしていたんですけど、今は社員全体が他の人を気にかけられるし、気にかけてもらえることも多くなったと思います。
北村 プレスアートのいいところは、働いている人たちの人柄がめちゃくちゃ良いところですね。様々なつながりが生まれていく中で、皆さんの人柄の良さを感じています。入社すれば実感すると思いますよ(笑)。半面、効率化できる部分はまだまだあると感じるので、気づいた部分は提案を行うなどして、働きやすさにもつなげていきたいと考えています。
鮫島 今年の目標としてはクリエイティブ部主導の媒体を持ちたいです。『せんだいタウン情報S-style』が45周年を迎えた1年続くお祭り期間中に、かつて発行していた「 COLOR」を1年間だけ復活させるとか、実現できたら嬉しいです。
小林 『Kappo仙台闊歩』で今までにない特集やアクティビティな新連載を展開したいと考えています。また、『Kappo仙台闊歩』の価値を社内でも高められるようにリアルタイムな情報を発信していく。いつかは『せんだいタウン情報S-style』の販売部数を超えてやりたいです(笑)。
北村 『せんだいタウン情報S-style』が好きなので、本誌だけじゃなく、Webや電子書籍、イベントなど、45年続いてきたタウン誌と、営業面での成績も考えながら一緒にやっていきたいです!
山口 「こんな人が向いている」など、一言ずつメッセージをお願いします。
鮫島 好奇心旺盛で、何事にも楽しく臨める人がいいですね。あとはヒアリング力。話せる人より聞ける人が向いていると思います。
小林 営業職もクリエイティブも相手の立場になって考えられることが大切だと思います。
北村 出版は厳しい業務かもしれませんが、永く愛されるメディアに関われる喜びがあります。自分が興味のある分野にも携われますし、「仙台が好きで伝えたいことがある人」には最高の会社だと思います。